ウズベキスタンの首都タシケントにあるハズラティ・イマーム広場は、モスク、メドレセ、霊廟などが集まる、この街の宗教的中心をなす建築群です。「ハズラティ・イマーム(フズラ・イマーム)」の名は、10世紀のイスラム学者にちなむとされ、広場はその墓所を核として形づくられてきました。青いドームと二本のミナレットが並ぶ景観は、近代に整備されたものですが、内部には世界最古級とされるコーランの写本が収められており、信仰と歴史の両面でタシケント有数の見どころとなっています。
歴史的背景
ハズラティ・イマーム広場の起源は、16世紀に建てられたメドレセや霊廟にさかのぼり、その後の時代にモスクなどが加えられてきました。1966年にタシケントを襲った大地震で市街の多くが被害を受けたのち、この一帯は宗教施設の中心として再整備されました。現在見られる大モスクや広場の景観の多くは21世紀初頭に整えられたもので、伝統的な意匠を継承しながら、首都の顔にふさわしい規模で建設されています。古い時代の建造物と近代の再建が共存する点に、タシケントという都市の歩みが映し出されています。
建築と特徴
ハズラティ・イマーム広場は、複数の宗教建築が調和する空間として楽しめます。
- ハズラティ・イマーム・モスク:二本の高いミナレットと青いドームを備えた大モスクで、広場の中心をなします。
- ムーイ・ムボラク・メドレセ:世界最古級とされる「オスマーンのコーラン」を収蔵・展示しています。
- バラク・ハン・メドレセ:16世紀に建てられた歴史的な神学校で、青いタイル装飾が美しい建物です。
- 広々とした広場:建物に囲まれた開放的な空間で、地元の人々の祈りや憩いの場となっています。
文化的意義
ハズラティ・イマーム広場は、タシケントの宗教生活の中心であると同時に、貴重な文化財を守り伝える場でもあります。とりわけムーイ・ムボラク・メドレセに収められた「オスマーンのコーラン」は、7世紀にさかのぼるとされる世界最古級の写本のひとつで、イスラム世界における第一級の宝物として知られています。古い時代のメドレセと現代の大モスクが同じ広場に並ぶ姿は、伝統を受け継ぎながら発展を続けるウズベキスタンの姿を象徴しています。
観光と体験
タシケントの旧市街に位置し、市内観光の要として訪れやすいスポットです。広場自体は開放的で自由に散策でき、青いドームとミナレットを背景にした記念撮影の人気スポットでもあります。ムーイ・ムボラク・メドレセでは、厳重に保管された古写本のコーランを見学できます(展示室は別途料金の場合があります)。宗教施設が集まる場所であるため、露出を控えた服装で静かに見学するのが望ましいでしょう。開館時間や入場料は変わる場合があるため、訪問前に最新情報をご確認ください。
まとめ
ハズラティ・イマーム広場は、首都タシケントの信仰と歴史が交わる中心地です。世界最古級のコーランに出会える貴重な場であり、サマルカンドやブハラへ向かう旅の起点として、まず訪れておきたいスポットといえるでしょう。



