マウン(Maun)は、ボツワナ共和国北部、ンガミランド地区の行政中心地に位置する町で、同国を代表する観光の玄関口のひとつです。「ボツワナの観光首都」とも称され、世界遺産に登録されているオカバンゴ・デルタ(Okavango Delta)へのアクセス拠点として、多くの観光客がこの町を訪れます。
歴史的背景
マウンが生まれる以前、この地には元来イェイ族(バイェイ族)の小さな村がありました。18世紀後半、タワナ族の首長タワナが後継争いをきっかけにセロウェを離れ、一族を率いてンガミランド地方へ移住。まずンガミ湖畔に、続いてトテン、ツァオへと拠点を移した後、1915年に現在のマウンの地にタワナ族の本拠を定めたのが町の直接の起源です。「マウン」という地名は、セイェイ語で「河辺の葦の生える場所」を意味する「マウング(maung)」に由来します。ンガミランド地方には、ハンブクシュ族、バスビヤ族、バイェイ族など中央アフリカに起源を持つ複数の民族が暮らし、いずれも長い年月をかけてオカバンゴの豊かな資源を活かした暮らしを築いてきました。20世紀には牧畜業や狩猟事業の経済拠点として栄え、「西部劇のような荒くれた町」という評判も持っていましたが、1990年代初頭にナタからの舗装道路が完成し、観光業が急成長したことで、宿泊施設、レストラン、ツアー会社、空港などが揃った一大観光拠点へと急速に発展しました。2022年の人口統計では、マウンの人口はおよそ8万5,293人に達しています。
見どころと特徴
オカバンゴ・デルタは、アンゴラから流れるオカバンゴ川がカラハリ砂漠に流れ込み形成されたアフリカ最大級の内陸デルタで、ユネスコ世界自然遺産にも登録されています。マウンからはこのデルタへの飛行機での移動や、伝統的な手漕ぎボート「モコロ」を使った水上サファリなどが楽しめます。
- モレミ動物保護区(Moremi Game Reserve)やチョベ国立公園(Chobe National Park)への出発点で、ゾウ、ライオン、ヒョウ、カバなどの野生動物を観察できる
- 四輪駆動車でのゲームドライブやヘリコプターからの空中撮影など様々な体験が可能
文化的意義
マウンには、タワナ族をはじめツワナ族やサン族(ブッシュマン)など様々な民族グループが共存しており、地元のマーケットでは手工芸品や伝統料理も楽しめます。町には小さな博物館もあり、オカバンゴの自然や地域の歴史について学ぶことができます。
観光と体験
マウン国際空港(Maun International Airport)があり、ヨハネスブルグやハボローネなどからのフライトが運航されるほか、オカバンゴ・デルタ内の各地へのチャーター便も頻繁に出発しています。観光のベストシーズンは乾季(5月〜10月)で動物観察に最適、雨季にはデルタが水で満たされボートでの移動が中心となります。
まとめ
マウンは、タワナ族の歴史に根差した町としての成り立ちと、オカバンゴ・デルタへの玄関口としての現代的な発展の両面を持つ、アフリカの大自然と人々の暮らしが交差する魅力あふれる町です。


