ベインズ・バオバブ(Baines' Baobabs)は、ボツワナのヌクサイ・パン国立公園(Nxai Pan National Park)内、クディアカム・パン(Kudiakam Pan)のほとりに位置する、壮大なバオバブの木々が群生する景観で、自然愛好家や写真家、冒険旅行者にとって憧れの地となっています。
歴史的背景
これらの木々は、19世紀の探検家で画家でもあったトーマス・ベインズ(Thomas Baines)が、探検家ジェームズ・チャップマンとともにこの荒涼としたボツワナの大地を旅していた1862年に描いたことで広く知られるようになりました。ベインズはもともとデイヴィッド・リヴィングストンのザンベジ川探検隊の一員でしたが、リヴィングストンの弟から窃盗の疑いを不当にかけられ、隊を離れることになったという経歴を持つ人物です。彼が描いたバオバブの木々は、現在もその姿をほぼ変えることなく立ち続けており、当時の絵と現在の姿を比較しても、約150年の間に枝が一本折れた程度の変化しか見られないといわれています。1992年には、これらのバオバブが生えるクディアカム・パンがヌクサイ・パン国立公園に編入され、公園の総面積は約2,578平方キロメートルに拡大、正式に国立公園としての保護対象となりました。
見どころと特徴
ベインズ・バオバブは7本の巨大なバオバブが群生しており、「眠れる姉妹(Sleeping Sisters/セブン・シスターズ)」とも呼ばれています。木々の樹齢はおよそ1,000年、高さは20メートルを超えるとされ、乾季には周囲の塩湖であるクディアカム・パンのほとりに静かに佇んでいます。雨季になると、このパンは水を湛え、周囲の風景は一変し、動植物の楽園へと変貌します。
観光と体験
ベインズ・バオバブへは、ヌクサイ・パン国立公園内のヌクサイ・パン・ターンオフ(Nxai Pan Turn Off)からアクセス可能です。道中は砂地の道が続くため、4WD車の利用が推奨されます。現地には、シャワーや水洗トイレはなく、簡易トイレのみが設置されています。訪問者は必要な水や食料を持参し、ゴミは持ち帰ることが求められます。ベインズ・バオバブは、ゲームドライブ(サファリ)や星空観察などのアクティビティの拠点としても利用されており、ヌクサイ・パン・キャンプ(Nxai Pan Camp)などのロッジから日帰りツアーが提供されています。特に、乾季の6月から9月は、動物たちが水源を求めて集まるため、野生動物観察のベストシーズンとされています。
まとめ
ベインズ・バオバブは、自然の美しさと歴史的な価値が融合した、ボツワナの秘境とも言える場所です。千年の時を生き抜いてきたバオバブと、それを描いた探検家の物語に触れることで、自然と歴史が織りなす壮大な景観を体感できることでしょう。


