ウルグアイの首都モンテビデオにある「シウダ・ビエハ(Ciudad Vieja)」は、その名の通り「古い街」を意味し、都市の歴史的な心臓部である。コロニアルな建築、石畳の通り、アートギャラリー、カフェ、博物館などが融合し、過去と現在が交錯する空間となっている。
歴史的背景
モンテビデオの湾口の半島に位置するCiudad Viejaは、1724年12月24日、スペインの総督ブルーノ・マウリシオ・デ・サバラ(Bruno Mauricio de Zabala)によって、ポルトガルのブラジルからの侵攻に対抗する要塞都市として築かれた。1741年頃には市街を囲む石造りの城壁が完成し、シウダデーラ(Ciudadela)要塞がその守りを固めていた。ウルグアイが1828年に独立を果たした後、1829年に城壁は取り壊され、旧市街は現代都市モンテビデオへと拡張していった。現在ではその城壁の一部であった「Puerta de la Ciudadela(城門)」が残されており、観光名所として人気を集めている。
建築と特徴
城門をくぐると、コロニアル建築やアール・デコ様式の建物が立ち並ぶ美しい街並みに出会える。
- 独立広場(プラサ・インデペンデンシア):ウルグアイ独立の象徴であるホセ・アルティガス将軍の記念碑が中心にあり、地下には彼の霊廟もある
- ソリス劇場(Teatro Solís):広場周辺にある有名な劇場
- メルカド・デル・プエルト(港の市場):1868年にイギリスで製造され海を渡って運ばれた鉄とガラスのヴィクトリア様式の建物で、かつて港湾労働者のための食堂だった場所が観光名所に変貌し、ウルグアイ名物「アサード(炭火焼肉)」が楽しめる
- モンテビデオ首都圏大聖堂(カテドラル・メトロポリターナ):独立広場近くに建つウルグアイ最古のカトリック教会の一つ
- パラシオ・サルボ(Palacio Salvo):独立広場に面して建つ1928年完成、高さ105mのアール・デコ様式の塔で、完成当時は南米一の高さを誇った
Ciudad Viejaはモンテビデオ湾に面した「ランブラ(Rambla)」という全長22kmに及ぶ世界最長級の海沿い遊歩道の起点でもあり、散策やジョギングを楽しむ人々の姿も見られる。
文化的意義
Ciudad Viejaはモンテビデオの芸術や文化の中心地としても知られている。通りには数多くのギャラリーやアトリエが点在し、地元アーティストによる絵画や彫刻を見ることができ、タンゴやカンドンベ(アフリカ系ウルグアイ人の伝統音楽)の生演奏に出会うこともしばしばである。現在は銀行や政府機関、博物館、劇場、ギャラリーが集まるオフィス街兼文化街としての性格も併せ持つ。
観光と体験
市場周辺にはオーガニックカフェやベジタリアンレストラン、ベーカリーなどもあり、週末にはアートや手工芸品の青空マーケットが開催される。一時期治安の問題が指摘されていたが、近年の再開発プロジェクトによって街全体が整備され、治安も大幅に改善されている。徒歩で主要な見どころを巡ることができる規模感も、旧市街散策の魅力の一つである。
まとめ
Ciudad Viejaは、1724年の建設以来モンテビデオの歴史を刻んできた旧市街であり、過去と現在、伝統と革新が融合した場所である。歴史・グルメ・文化・音楽を一度に体験できるハイライトといえる。