バザルート諸島(Bazaruto Archipelago)は、モザンビーク中部の港町ヴィランクーロ(Vilankulo)の沖合、インド洋に浮かぶ美しい群島で、ダイビングやシュノーケリング、白砂のビーチなどが楽しめる隠れた楽園である。諸島は主にバザルート島、ベンゲラ(ベングエラ)島、マガルーキ島、サンタカロリーナ島(パラダイス島)、バングエ島など6つの島々から成り立ち、いずれもサヴェ川(Save River)が運んだ砂の堆積によって形成されたとされている。諸島全体とその周辺海域はバザルート・アーチペラゴ国立公園に指定されている。
歴史的背景
バザルート諸島は鉄器時代から人が住み続けており、数千年にわたってインド洋交易網の一部を担ってきた。バザルート島のポンタ・ドゥンド遺跡からは3世紀頃に遡る考古学的遺物やペルシア陶器が発見されており、古くから海上交易の拠点であったことがうかがえる。16世紀にはモンバサやマリンディといったイスラム系都市とも結びついた繁栄した交易ハブとして栄えたが、その後の奴隷貿易の広がりが地域社会に大きな打撃を与え、人口の多くが本土へ移動し「黄金時代」は終わりを迎えた。16世紀末以降はポルトガルの影響力が強まり、混血の地主や首長による統治を経て、1721年には正式にポルトガル王室へ献上され、マンボネのプラゾ(封土)制度のもとで管理された。国立公園としては1971年、ポルトガル植民地政府がベンゲラ島・マガルーキ島・バングエ島と周辺5kmの沿岸域を対象にバザルート国立公園を設立(当初バザルート島自体は含まれず)、2001年にバザルート島も含めたより広い沿岸生態系を対象とする現在のバザルート・アーチペラゴ国立公園として再編された。2017年12月からは、モザンビーク政府の国立保護区管理機関と非営利団体アフリカン・パークスが共同で公園の管理を担っている。
見どころと特徴
諸島の海は透明度が高く、サンゴ礁が広がる美しい海中世界が広がっている。
- ジンベエザメ、ウミガメ、イルカ、マンタ、ドゥゴング(ジュゴン)など豊富な海洋生物、特にベンゲラ島周辺は有名なダイビングスポット
- 広大な砂丘、マングローブ林、塩湖などの陸地の景観(特にバザルート島の砂丘は絶景)
- シマウマ、アンテロープ、フラミンゴなどの野生動物が生息し、サファリツアーも楽しめる
- 地元の漁師村では手作りのカヌーや魚の干物作りなど、伝統的な暮らしを垣間見ることができる
観光と体験
ベンゲラ島には豪華なヴィラやエコリゾートがあり、プライベートビーチでゆったりとした時間を過ごせる。サンゴ礁の保護や環境に配慮した観光が推奨されるエコツーリズムの拠点でもある。アクセスは、モザンビーク本土のヴィランクーロ空港から小型飛行機やボートで、ベストシーズンは乾季にあたる5月〜10月である。
まとめ
バザルート諸島は、鉄器時代からの交易の歴史と手つかずの自然、豪華なリゾートが融合した特別な場所である。ダイビング好きや自然愛好者、リラックスしたリゾート滞在を求める旅行者にとって、最高の目的地となるだろう。