アンダシベ・マンタディア国立公園(Andasibe-Mantadia National Park)は、マダガスカル東部に位置する国立公園で、豊かな熱帯雨林と多様な動植物が生息する自然保護区である。首都アンタナナリボ(Antananarivo)から約150km(車で約3〜4時間)の距離にあり、比較的アクセスしやすいことから、マダガスカルで最も人気のある国立公園の一つである。公園は「アンダシベ特別保護区(Analamazaotra Special Reserve)」と「マンタディア国立公園(Mantadia National Park)」の2つのエリアからなり、総面積は合わせて約155平方キロメートルに及ぶ。アンダシベ特別保護区はマダガスカル最大のキツネザルであるインドリ(Indri indri)の生息地として有名である。
歴史的背景
アンダシベ特別保護区は、フランス植民地時代には「ペリネ(Périnet)」の名で知られ、古くから保護区として管理されてきた。一方、その北方約20kmに位置するマンタディア国立公園は1989年に指定され、1990年代後半にアンダシベ特別保護区と統合される形で、現在の「アンダシベ・マンタディア国立公園」が成立した。マンタディア側は人の手が入ることが少なく、より原生的な森林景観が残っているのが特徴である。
見どころと特徴
公園の最大の魅力は、世界最大級のキツネザルであるインドリを間近で観察できることである。
- インドリ(体長約64〜72cm、体重約6〜9.5kg、黒と白の毛色で尾がほとんどない)は、早朝6〜9時に活動が活発になり、数キロ先まで届く笛のような遠吠えを響かせる
- インドリ以外にも11種類以上のキツネザルが生息(ディアデムシファカ、夜行性のアオミミキツネザル、ヒルシュタインカンムリシファカなど)
- 巨大なシダやランが生い茂り、滝や小川が点在する広大な熱帯雨林(特にマンタディア国立公園側は原生的な森林が残る)
観光と体験
公園内には短時間(2〜3時間)、中距離(半日)、長距離(1日)のトレッキングコースがあり、目的に応じて選べる。アンダシベ特別保護区の外側では、夜行性の動物を観察するナイトウォークも実施されている。近隣には、カヤックでマダガスカルワニを見られるヴァカナ私営保護区や、インドリの保護プロジェクトが進むアンカファベ保護区もある。アクセスはアンタナナリボから車で約3〜4時間、ベストシーズンは乾季(4月〜11月)である。観光収入は森林伐採や違法な狩猟に対する保護活動に役立てられている。
まとめ
アンダシベ・マンタディア国立公園は、マダガスカルならではの熱帯雨林と多様な動植物を間近で観察できる貴重なスポットである。特にインドリの生息地として有名で、首都から日帰りや1泊2日で訪れやすいアクセスの良さも魅力である。














