アンカラファンツィカ国立公園(Ankarafantsika National Park、旧称アンピジョロア/Ampijoroa)は、マダガスカル北西部に位置する広大な自然保護区で、生物多様性の宝庫として知られている。約135,000ヘクタールの面積を誇るこの公園は、マダガスカルに残る乾燥落葉樹林の中でも最大規模かつ最後の一つであり、湖や渓谷など多様な地形を持ち、マダガスカル固有の動植物が数多く生息している。公園の中心にはラヴァンダヴァ湖(Lac Ravelobe)があり、整備された遊歩道から比較的容易に野生動物を観察できるのも特徴である。
見どころと特徴
特に、レムール(キツネザル)やマダガスカル特有の鳥類の観察スポットとして人気がある。
- 公園には8種類のレムールが生息する。昼行性のコクレルシファカ(Propithecus coquereli)、昼夜問わず活動するチャイロキツネザル(Eulemur fulvus)やモングースキツネザル(Eulemur mongoz)、夜行性のエドワードイタチキツネザル(Lepilemur edwardsi)、グレーマウスレムール(Microcebus murinus)やラヴェロベマウスレムール(Microcebus ravelobensis)といった世界最小級の霊長類、フトオコビトキツネザル(Cheirogaleus medius)など
- マダガスカルに生息する鳥類の多くが観察できるバードウォッチングの聖地で、絶滅危惧種のマダガスカルフィッシュイーグルなどの希少種も見られる
- 「グランド・キャニオン・オブ・マダガスカル」と呼ばれる大渓谷「Ankarokaroka Canyon」。風と水の侵食によって形成された赤茶色の岩肌が広がる
- ラヴァンダヴァ湖(Lac Ravelobe):ボートツアーが楽しめ、固有の魚や水鳥、ワニも生息する
- アンピジョロア地区は、絶滅危惧種のホウシャガメ(アンゴノカ)、ヒラオリクガメ(カピドロ)、マダガスカルオオズガメ(レレ)など、希少なカメ類の世界的に重要な繁殖保護プロジェクトの拠点にもなっている
観光と体験
公園内には初心者向けから上級者向けまで複数のトレイルが整備されており、カニオン・トレイル、レムール・トレイル、バードウォッチング・トレイルなどがある。ラヴァンダヴァ湖ではガイド付きボートツアーも用意され、夜行性のレムールやカメレオンを観察するナイトウォークも人気である。伐採や火災による森林の減少・分断化が進んでいることから、公園はこれら固有種の保全において非常に重要な役割を担っている。アクセスは、マハジャンガの南約115km、アンタナナリボから車で約8時間、または飛行機でマハジャンガまで移動し車で約2時間である。訪問のベストシーズンは乾季(4月〜11月)である。
まとめ
アンカラファンツィカ国立公園は、マダガスカルのユニークな自然と野生動物を満喫できるスポットである。希少なレムールやバードウォッチング、壮大な渓谷、湖でのボートツアー、そして絶滅危惧種のカメ保護活動など、多彩な楽しみ方と保全の意義を併せ持つ場所である。














