レムールズ・パーク(Lemurs' Park)は、マダガスカルの首都アンタナナリボ(Antananarivo)から南西へ約22km、車で約40分の距離に位置する私営の自然保護区・植物園である。マダガスカル固有の動物である「レムール(キツネザル)」を間近で観察できる人気の観光スポットとして知られている。マダガスカルには100種類以上のレムールが生息しているが、森林伐採や密猟などにより多くの種が絶滅の危機に瀕しており、レムールズ・パークはこうした貴重な動物を保護し、環境教育や観光を通じてマダガスカルの自然の大切さを伝える目的で設立された。
歴史的背景
公園は2000年前後に、フランス人のローラン・アムーリック氏と、アンタナナリボのツィンバザザ動植物園の初代園長ピエール・ボワトー氏の孫であるマキシム・アロージュ氏によって創設された。当時マダガスカルでは、違法にペットとして飼育されていたレムールの摘発・保護が相次いでいたが、既存のツィンバザザ動植物園には十分な収容施設がなかった。そこで、保護されたレムールを専門的に受け入れる場として、レムールズ・パークが誕生した経緯がある。
見どころと特徴
約5ヘクタールの敷地には、9種のレムール(うち7種は昼行性、2種は夜行性)と、70種以上に及ぶマダガスカル固有の植物が生育している。
- ワオキツネザル:長いシマシマの尾が特徴で、群れで活発に動き回る
- クロキツネザル:オスは黒、メスは茶色の毛を持つ珍しい種
- エリマキキツネザル:鮮やかな赤褐色の毛を持ち、大きな声で鳴く
- シロクロエリマキキツネザル、ハイイロジェントルレムール(バンブーレムール)なども生息
レムールたちは檻に入れられず、園内を自由に動き回っているため、ナチュラルな姿を観察できる。
文化的意義
園内のレムールの多くは、マダガスカル政府の水利・森林省から託された、違法なペット取引から救出された個体や、森林伐採で生息地を失った個体である。パークでは、これらのレムールをリハビリテーションし、繁殖を通じて将来的な野生への再導入を目指す保護プログラムを行っており、単なる観光施設ではなく、マダガスカルの生物多様性保全の一翼を担う存在となっている。訪問者向けにはレムールの生態や公園の成り立ちに関する教育プログラムも実施されている。
観光と体験
公園ではガイド付きツアー(約1〜1時間半)への参加が必須で、レムールの生態や保護活動について説明を受けられる。写真撮影にも適しており、休憩スペースでのピクニックも楽しめる。営業時間は8:00〜17:00(最終入場16:00)で、ベストシーズンは乾季(4月〜11月)である。
まとめ
レムールズ・パークは、マダガスカルの象徴であるレムールを間近で観察できる保護区である。違法飼育や森林破壊から救出された9種類のレムールが自由に暮らす環境を見学しながら、環境保護活動にも触れられ、首都アンタナナリボから車で40分とアクセスも良好である。














