ワカチナ

Huacachina

カテゴリ ペルー, 南米
アドベンチャー砂漠絶景

ペルー南部、イカ近郊の砂漠に突如現れる緑豊かなオアシス、ワカチナ。イカの市街地から南西へ約5kmに位置し、周囲を巨大な砂丘に囲まれたその姿はまるで一枚の絵画のよう。砂丘と青い空、そして緑あふれるオアシスが織りなす絶景は、訪れる人々の心を打ち、忘れられない思い出となる。

歴史的背景

ワカチナの湖(ラグーナ)は、地下水が長い年月をかけて地表に染み出し、砂漠の窪地にたまってできたと考えられている。現地には複数の伝説が残されており、ある言い伝えでは、水浴び中に狙う狩人の姿を鏡で見て驚いた美しい先住民の王女が逃げ出し、残された鏡が湖に変わったとされる。また別の伝説では、処刑された恋人を想って泣いたインカの王女の涙が湖となり、彼女自身は人魚となって今も湖に住んでいるとも語られる。20世紀初頭には保養地として開発が始まり、以来ペルーを代表するリゾートオアシスとなった。近年は地下水の過剰採取により湖水位の低下が問題となり、2015年頃から地元事業者による地下水のポンプ注水で水位を維持する取り組みが行われている。

見どころと特徴

  • 砂漠のアクティビティ:サンドバギーに乗って風を切りながら砂丘を駆け上がるスリルは格別。砂丘の上からはオアシスを一望でき、絶景のパノラマが広がる。サンドボードで砂丘を滑り降りるのもおすすめ。
  • ラクダに乗る:ラクダに乗って砂漠を散策するツアーも人気。ゆっくりと砂漠を歩きながら雄大な自然を満喫できる。
  • オアシスの散策:池のほとりを散歩したり、湖畔のカフェで休憩したりのんびりとした時間を過ごせる。
  • 星空観測:夜は満天の星が広がる絶景が楽しめる。特に新月の日には無数の星が輝く。
  • 伝統的な村:オアシス周辺には伝統的な村が点在し、現地の文化や生活に触れることができる。

観光と体験

ワカチナへのアクセスは、ペルーの首都リマからバスやタクシーで行くのが一般的。日帰りでも楽しめるが、オアシスの雰囲気をじっくり味わいたいなら1泊するのがおすすめ。宿泊施設はラグジュアリーなホテルからリーズナブルなゲストハウスまで揃う。訪れるなら乾季の5月から10月がおすすめで、雨季は雨が多くアクティビティが楽しめない場合がある。

まとめ

ワカチナは、自然とアドベンチャーを同時に楽しめる魅力的な観光地である。砂漠の絶景、オアシスの緑、現地の文化に触れることができる、忘れられない旅になることだろう。

基本情報

終日開放 無休 無料(サンドバギー・サンドボード等は別途)
終日開放
無休
無料(サンドバギー・サンドボード等は別途)

地図

その他のスポット

  • マチュ・ピチュ

    絶景遺跡

    マチュ・ピチュ(Machu Picchu)は、南米ペルーのアンデス山脈、ウルバンバ川の谷を見下ろす標高約2,430メートルの尾根に築かれた古代インカ帝国の遺跡です。その姿から「天空の都市」とも呼ばれ、1983年にユネスコ世界遺産に登録され、2007年には全世界で1億人以上が参加した投票により「新・世界七不思議」の一つに選ばれました。

    歴史的背景

    マチュ・ピチュは15世紀半ば、インカ帝国の第9代皇帝パチャクテク(Pachacuti)の治世(在位1438年頃〜1471年頃)に、王族の離宮または祭祀の場として築かれたと考えられています。15世紀半ばから16世紀初頭にかけて利用されていましたが、スペインによる征服の混乱の中で放棄され、以後長らく密林に埋もれ、その存在は忘れられていました。1911年、アメリカの探検家ハイラム・ビンガム(Hiram Bingham)が現地の農民の案内で遺跡を「再発見」し、世界にその存在が知られるようになりました。なぜ建設され、なぜ放棄されたのか、目的の詳細は今も研究者の間で議論が続いています。

    建築と特徴

    インカの人々は、道具に頼らず巨大な石を隙間なく積み上げる高度な石積み技術(アシュラー積み)を持ち、地震の多いこの地域でも崩れにくい構造を実現しました。段々畑や排水路など、山の地形と自然環境を最大限に活かした設計も特徴です。

    • 太陽の神殿:壮大な石造りの神殿で、インカの人々が太陽神インティを崇拝した場所とされる。
    • 三つの窓の神殿:三つの大きな窓を持つ神殿で、冬至の日には太陽光が特定の位置に差し込むよう設計されているとされる。
    • コンドルの神殿:コンドルの姿を模した石造物がある神殿。
    • 段々畑(アンデネス):山の斜面を利用して作られた農業用の段々畑で、インカの高度な農業技術を示す。

    文化的意義

    マチュ・ピチュは、インカ文明の技術力と精神性を今に伝える最も重要な考古学遺跡の一つとされています。ユネスコは登録にあたり「芸術、都市計画、建築、工学の傑作」であり「インカ文明の唯一無二の証」であると評価しており、遺跡だけでなく周辺の自然景観を含めた広い範囲が保護の対象になっています。

    観光と体験

    アクセスはクスコから鉄道またはバスでアグアスカリエンテスへ向かい、そこからさらにバスでマチュ・ピチュへ登るのが一般的です。標高が高いため高山病対策が必要で、到着後はゆっくりと行動することが推奨されます。遺跡の保護のため入場者数に制限が設けられており、事前のチケット予約が欠かせません。気温の変化が大きいため、暖かい服装と雨具を持参するとよいでしょう。

    まとめ

    マチュ・ピチュは、インカ帝国の高度な建築技術と自然との共生の知恵を体現する、人類史に残る偉大な遺産です。1911年の再発見から一世紀以上を経てもなお、その神秘的な魅力は多くの旅行者を惹きつけ続けています。

    詳しく見る

  • チチカカ湖(ペルー)

    チチカカ湖

    絶景自然遺跡

    南米アンデスの高地に位置するチチカカ湖は、「天空の湖」とも呼ばれ、多くの旅行者を魅了する。ペルーとボリビアの国境にまたがるこの湖は、標高3,812mに位置する世界最大の航行可能な高地湖であり、南米大陸最大の湖(面積・水量ともに)としても知られる。古代インカ文明との深い関わりを持つことから、歴史と自然が織りなす特別な魅力を持つ。

    地理と自然

    チチカカ湖の面積は約8,372km²で、世界で18番目に大きい湖である。平均水深は約107m、最深部はボリビア側のイスラ・ソト付近で約280mに達する。ラミス川、コアタ川、イラベ川、ワンカネ川、スーチェス川という5つの主要河川が流入し、唯一の出口はデサグアデロ川である。湖内には41の島が浮かび、そのいくつかには人が暮らしている。

    歴史的背景

    チチカカ湖周辺は、インカ神話において創造神ビラコチャが太陽と月を生み出し、初代インカ王マンコ・カパックと王妃ママ・オクリョを地上に送り出した「文明発祥の地」とされる。湖に浮かぶ太陽の島には、インカ以前のティワナク文化の遺跡も残されており、この地域が古くから宗教的・政治的な中心地であったことを示している。

    見どころと特徴

    • ウロス島:トトラ葦を積み重ねて作った浮島で暮らすウル族の人々の生活を体験できる。
    • 太陽の島:ティワナク文化の遺跡があり、古代インカ文明の神秘に触れることができる。
    • タキーレ島:チチカカ湖最大の島の一つで、住民が織る手工芸品はユネスコの無形文化遺産にも登録されている。
    • コパカバナ:ボリビア側の湖畔にある町で、美しい教会やコロニアル建築が魅力である。
    • 豊かな自然:フラミンゴやペリカンなど様々な鳥類が生息し、バードウォッチングも楽しめる。

    ペルー側の玄関口プーノは「ペルーのフォルクローレの首都」とも呼ばれ、毎年2月上旬に開催される「カンデラリアの聖母祭(Virgen de la Candelaria)」では、華やかな衣装をまとった踊り手たちが街を練り歩き、湖畔の町が一年で最も賑わう。

    文化的意義

    湖畔や島々には、ウル族をはじめとする独自の文化を持つ人々が今も暮らしており、伝統的な生活様式や織物、漁業の技術が世代を超えて受け継がれている。湖水はやや塩分を含む半塩水湖で、南米の淡水湖としては珍しい特徴を持つ。

    観光と体験

    ペルー側のプーノ、またはボリビア側のコパカバナからボートでアクセスできる。標高が高いため高山病に注意が必要で、事前の対策とゆっくりとした行動が推奨される。年間を通じて気温が低いため暖かい服装が必要で、12月から3月頃の雨季は視界が悪くなることがある。ボートツアーやカヤック、トレッキングなど様々なアクティビティも楽しめる。タキーレ島やアマンタニ島など各島にはホームステイ型の宿泊施設もあり、島の暮らしをより深く体験することもできる。

    まとめ

    チチカカ湖は、自然と歴史、そして文化が融合した、まさに地球の宝と言える場所である。その神秘的な魅力は、多くの人々を魅了し続けている。

    詳しく見る

  • チャンチャン遺跡(ペルー)

    チャンチャン遺跡

    トルヒーヨ世界遺産遺跡

    チャンチャン遺跡は、ペルー北部の都市トルヒーヨ近郊に広がる、日干しレンガ(アドベ)造りとしては世界最大級の古代都市遺跡です。プレインカ期に栄えたチムー王国の首都であり、精緻な浮彫り装飾を施した城壁や神殿が今も残っています。1986年にユネスコ世界文化遺産に登録され、同時に危機遺産リストにも掲載されています。

    歴史的背景

    チムー王国は、9世紀頃にペルー北部海岸のモチェ川流域で勃興し、15世紀にはインカ帝国に併合されるまで、この地域で最大の政治勢力として繁栄しました。チャンチャンはその都として建設され、王が代替わりするごとに新たな「シウダデラ(城塞・宮殿区)」が築かれ、先代の王が没すると、その宮殿はそのまま王の墓所として封じられたとみられています。チムーの人々はインカと異なり月の神を主神として崇め、太陽ではなく夜と海に結びついた世界観を持っていたことも特徴です。最盛期には数万人規模の人々が暮らす一大都市であったとされ、周辺の灌漑農業と沿岸漁業を基盤に高度な社会組織を築いていました。最盛期のチムー王国は、現在のエクアドル国境付近からリマ近郊にかけて、ペルー北部・中部の広い海岸地帯を支配下に置いていたとされます。1470年頃、インカ皇帝トゥパック・インカ・ユパンキの遠征によりチムー王国は征服され、チャンチャンはインカの支配下に入りました。16世紀にスペイン人が到来した際には、金銀の装飾品を求めた略奪により、多くの建造物が損壊したと伝えられています。

    建築と特徴

    • 都市全体が日干しレンガ(アドベ)で建設され、石造建築が主流であった古代アンデス文明の中では異色の存在です。
    • 「シウダデラ」と呼ばれる方形の城塞・宮殿区が複数存在し、それぞれが王族の居所・倉庫・儀礼空間として独立した機能を持っていました。各区は近代の発掘者や研究者の名にちなんで呼び分けられています。
    • 高さ9メートルに達する城壁もあり、壁面には海の生物や鳥、波、幾何学模様を浮彫りで表現した精緻な装飾が施され、チムー文化特有の海への信仰を今に伝えています。これらの浮彫りは木製の型を土壁に押し当てて成形する技法で作られ、同じ図案を連続させることで長い装飾帯を生み出しています。
    • 地下水位の高さを利用した「井戸」状の水場が随所に設けられ、乾燥地帯でありながら生活用水を確保する工夫が見られます。
    • 最も保存状態が良く一般公開されている区域は「ニック・アン(旧称トゥシュディ)宮殿」で、修復された壁面装飾を間近で見学できます。

    文化的意義

    チャンチャンは、インカ帝国以前のアンデス文明が到達した都市計画・建築技術の高さを示す代表例として評価されています。日干しレンガという乾燥に強い一方で雨や地震には弱い素材で築かれた広大な都市が現存していること自体が、北ペルー沿岸部の気候と密接に結びついた建築文化の証といえます。一方で、エルニーニョ現象に伴う豪雨による浸食、盗掘(ワケロ)、そしてトルヒーヨ市の拡大に伴う都市化の圧力により遺跡の劣化が進んでいることから、1986年の世界遺産登録と同時に危機遺産リストにも加えられ、国際的な保全活動の対象となっています。また、チムーの職人は高度な金属加工技術を持ち、征服後はその技術者の一部がインカの宮廷に召し出され、インカの金銀細工文化にも影響を与えたと考えられています。

    観光と体験

    見学の中心となるのは、公開区域として整備された「ニック・アン宮殿」です。復元された壁の浮彫り装飾や広場、儀礼用の井戸などを、案内路に沿って巡ることができます。敷地内には出土品を展示する博物館も併設されており、チムー文化の生活や信仰について学ぶことができます。共通券では、近隣にある太陽と月をかたどった彩色浮彫りが残る「アルコイリス(虹)神殿」や「エスメラルダ神殿」などのフィアーカ(神殿遺跡)も合わせて訪れることができ、チムー文化の広がりをより深く知ることができます。トルヒーヨ市街から車で短時間の距離にあり、日中は強い日差しと乾燥が続く沿岸砂漠気候のため、帽子や日焼け対策をした上で午前中の見学がおすすめです。首都リマからはトルヒーヨまで飛行機で約1時間、または長距離バスで一晩かけて移動するのが一般的で、近郊にはペルー北部を代表するサーフスポットであり、伝統的な葦舟「カバジート・デ・トトラ」が今も使われる漁村ワンチャコもあり、あわせて訪れる旅行者も多くいます。

    まとめ

    チャンチャン遺跡は、日干しレンガのみでこれほど広大な都市を築き上げたチムー王国の技術力と美意識を伝える貴重な遺産です。1986年の世界遺産登録以来、エルニーニョによる浸食や都市化の圧力と向き合いながら、危機遺産としての保全と公開が両立されています。精緻な浮彫り装飾に彩られた宮殿区を歩けば、石の文明とは異なるもう一つのアンデス文明の姿に触れることができるでしょう。

    詳しく見る

  • サクサイワマン(ペルー)

    サクサイワマン

    クスコ絶景遺跡

    ペルーのクスコ市街地から北西に約2キロメートルの丘陵地にあるサクサイワマンは、インカ帝国の壮大な要塞遺跡です。その巨石の積み上げられた壁は、自然と調和した見事な建築技術の高さを物語り、訪れる人々を圧倒します。

    建築と特徴

    • 巨石の壁:サクサイワマンの最大の特徴は、巨大な石を隙間なく積み上げた壁です。これらの石は、それぞれが異なる形状をしているにもかかわらず、まるでパズルのようにぴったりと組み合わされており、その精巧さには驚かされます。
    • インカ帝国の技術力:サクサイワマンの建造には、高度な石材加工技術と天文学的な知識が用いられたと考えられています。これらの技術は、当時のインカ帝国の高度な文明を物語る貴重な証です。
    • 自然との調和:サクサイワマンは、周囲の自然と見事に調和しています。丘陵地を利用した立地や、石材の自然な色合いは、まるで自然の一部であるかのように感じられます。
    • 壮大なパノラマ:サクサイワマンからは、クスコ市街地を一望できる絶景が広がります。特に日の出や日没時の風景は、息をのむ美しさです。

    観光と体験

    サクサイワマンを訪れる際には、以下のことを楽しんでみましょう。

    • 遺跡の散策:遺跡内を自由に散策し、巨石の壁や建造物を間近で観察しましょう。各建造物には、インカ帝国の生活や文化に関する説明が書かれた看板が設置されている場合もあります。
    • 歴史を学ぶ:サクサイワマンの歴史や、インカ帝国の文化について学んでみましょう。遺跡内の博物館や、ガイドの説明を聞くことで、より深く理解を深めることができます。
    • 写真撮影:サクサイワマンは、写真撮影スポットとしても人気です。巨石の壁や、クスコ市街地の風景を背景に、記念写真を撮ってみてください。
    • 現地の人々との交流:サクサイワマン周辺には、地元の人々が営むお店やレストランがあります。彼らとの交流を通じて、ペルーの文化に触れてみましょう。
    • 標高:サクサイワマンは標高が高いため、高山病に注意が必要です。ゆっくりと行動し、こまめに休憩を取りましょう。
    • 日焼け対策:ペルーの日差しは強いため、日焼け止めや帽子、サングラスなどの日焼け対策は必須です。
    • 服装:歩きやすい靴を着用し、軽装で訪れるのがおすすめです。

    まとめ

    サクサイワマンは、インカ帝国の壮大な歴史と高度な技術力を体感できる、素晴らしい観光スポットです。クスコを訪れる際は、ぜひサクサイワマンを訪れて、その魅力を体感してみてください。

    詳しく見る

  • アレキパ歴史地区(ペルー)

    アレキパ歴史地区

    アレキパ世界遺産白い街

    アレキパ歴史地区は、ペルー第2の都市アレキパの旧市街に広がる歴史的建造物群で、2000年にユネスコ世界文化遺産「アレキパ市歴史地区」として登録されました。標高約2,335メートルのアンデス山麓に位置し、周辺で採れる白い火山岩「シジャール」を用いた建物が街並みを統一していることから「白い街」と呼ばれます。中心にはアルマス広場や大聖堂、サンタ・カタリナ修道院が点在し、背後にはミスティ火山がそびえます。

    歴史的背景

    アレキパは1540年、先住民が古くから農耕を営んでいたチリ川流域の谷にスペイン人によって建設されました。植民地時代を通じてスペインの都市計画と先住民の建築技術が融合し、独自の様式が育まれていきます。1579年から1580年にかけてはサンタ・カタリナ修道院が創設され、富裕な家系出身の女性たちが俗世を離れて入信する場となりました。市街は1600年と1604年の地震で被害を受けましたが、その都度シジャールを用いて再建され、17世紀後半までに現在の姿の骨格が形成されました。大聖堂も1844年の火災で内部や塔の一部を焼失しましたが、司教ホセ・セバスティアン・デ・ゴジェネチェのもとで再建が進められ、1868年の大地震で再び損壊した塔とファサードも修復されて、現在のネオ・ルネサンス様式の外観に至っています。世界遺産の登録範囲は166.52ヘクタールに及び、スペイン統治時代の街区設計に基づく49の街区と、植民地期から19世紀にかけて拡張された24の街区から構成されています。

    建築と特徴

    アレキパ歴史地区の建築は、ヨーロッパの様式と現地の職人技術が融合した点が最大の特徴です。

    • 加工がしやすく彫刻に適した白色の火山岩「シジャール」を用いた外壁や街区
    • クリオージョや先住民の石工による繊細な浮き彫り装飾「メスティーソ・バロック」様式(1590年着工のラ・コンパニア教会などが代表例)
    • 地震に耐えるための厚い壁体と、中庭を囲むアーチ・ヴォールト構造
    • 1733年建造のカサ・デル・モラル、1738年建造のカサ・トリスタン・デル・ポソなど、盾や動植物の紋様を浮き彫りにした邸宅建築
    • 大聖堂に見られる、コリント式の柱70本を配したファサード
    • アルマス広場の南・東・西の三方を囲む、計87のアーチからなる回廊「ポルタレス」(市庁舎側・サン・アグスティン側・フローレス側の3棟)

    これらのポルタレスは1784年や1868年の地震などで幾度も損壊と再建を経験し、1972年には国の文化遺産に指定されました。植民地期には市庁舎や商人の店が入っていましたが、地震のたびにシジャールで建て直されてきた点は、歴史地区全体に共通する再生の物語でもあります。

    文化的意義

    アレキパ歴史地区は、スペイン植民地文化と先住民文化が融合した独自の都市景観として高く評価されています。現在も行政・商業の中心として機能し続けている点も特徴で、単なる遺跡ではなく生活の場として保存されている都市遺産です。サンタ・カタリナ修道院は最盛期には500人ほどの女性が暮らし、そのうち修道女は120人ほどで残りは使用人だったとされ、内部にはセビリア通りやコルドバ通りなど、スペインの都市名にちなんだ通りが走る「街の中の小さな街」として当時の階層社会を今に伝えています。また邸宅カサ・トリスタン・デル・ポソにはクスコ派の絵画コレクションや古い書物が保管されており、植民地期の芸術・知の集積地としての側面もうかがえます。こうした歴史の重層性が、ペルー国内でもクスコと並ぶ重要な文化拠点としての地位を支えています。ユネスコの評価でも、シジャールで築かれた歴史地区がチリ川流域の谷とミスティ・チャチャニ・ピチュピチュという3つの雪をかぶった火山に囲まれた自然環境に見事に溶け込んでいる点が、この街ならではの価値として挙げられています。

    観光と体験

    散策の起点となるのはアルマス広場で、南・東・西の三方を囲む「ポルタレス」の回廊には現在カフェやレストランが軒を連ね、散策の合間の休憩にも便利です。大聖堂内部やラ・コンパニア教会の彫刻装飾、サンタ・カタリナ修道院は一般公開されており、修道院は1970年から博物館として公開され、当時の生活空間や礼拝堂、洗濯場などを見学できます。カサ・デル・モラルやカサ・トリスタン・デル・ポソも邸宅博物館として内部を公開しています。旧市街から足を延ばせば、1970年に完成したヤナウアラ展望台があり、10のシジャール製アーチの向こうに標高5,822メートルのミスティ山、チャチャニ山、ピチュピチュ山を望むことができ、白い街並みと火山群が織りなす景観を楽しめます。

    まとめ

    アレキパ歴史地区は、白い火山岩シジャールが生み出す独特の街並みと、ヨーロッパと先住民の文化が融合した建築が評価され、2000年にユネスコ世界文化遺産に登録されました。アルマス広場やサンタ・カタリナ修道院、邸宅群を中心に、今も暮らしが息づく街として、ペルー旅行の重要な立ち寄り先です。

    詳しく見る

  • クスコ歴史地区(ペルー)

    クスコ歴史地区

    クスコ世界遺産旧市街

    クスコ歴史地区は、ペルー南部アンデス山中、標高約3,400メートルに広がる旧市街です。かつてインカ帝国(タワンティンスーユ)の首都として栄え、精緻なインカ石組みの上にスペイン植民地時代のバロック建築が重なる、二つの文明が融合した独特の都市景観で知られます。1983年にユネスコ世界文化遺産「クスコ市街」に登録されました。アルマス広場を中心に、コリカンチャ(太陽の神殿)、サント・ドミンゴ教会、12角の石など見どころが徒歩圏に凝縮しており、旧市街全体をひとつの街歩き体験として楽しめる点が最大の魅力です。

    歴史的背景

    クスコはケチュア語で「へそ(世界の中心)」を意味し、13世紀ごろからインカ帝国の政治・宗教の中心地として発展しました。特に第9代皇帝パチャクテク(在位1418〜1471年)の時代に大規模な再建が行われ、コリカンチャや主要な神殿・宮殿、放射状の都市計画が整えられたと伝えられます。都市はピューマの姿をかたどって設計されたとも言われます。1533年にスペイン人フランシスコ・ピサロが征服して以降、征服者たちはインカの石組みを土台として残したまま、その上に教会や邸宅を築きました。破壊ではなく重層によって形づくられたこの街並みが、世界遺産としての傑出した価値を支えています。

    建築と特徴

    旧市街には、地震にも耐えるインカの精緻な石積み技術と、植民地時代の宗教建築が同居しています。主な見どころは次のとおりです。

    • アルマス広場:旧市街の中心。カテドラルとラ・コンパニーア・デ・ヘスス教会が面し、夜間はライトアップされます。
    • コリカンチャ(太陽の神殿):インカ帝国最高の石組みを誇る神殿。かつて内部は金銀で覆われていました。
    • サント・ドミンゴ教会・修道院:スペイン人がコリカンチャの土台の上に築いた教会で、インカとコロニアルの重層を象徴します。
    • 12角の石:アトゥン・ルミヨク通りにある石壁の一石。12の角が寸分の隙もなく組まれ、幾多の地震に耐えてきました。
    • サン・ブラス地区:坂と石畳の続く職人街で、工房やギャラリーが点在します。

    文化的意義

    クスコ歴史地区は、インカ文明の卓越した石造技術と都市計画、そしてスペイン植民地文化が一体となって残る、アメリカ大陸有数の文化的遺産です。今日もケチュア語や伝統儀礼が息づき、6月には太陽の祭り「インティ・ライミ」が盛大に催されます。マチュ・ピチュや聖なる谷(ウルバンバ谷)への玄関口でもあり、アンデス文化圏を旅する起点として重要な役割を担っています。

    観光と体験

    見どころが徒歩圏に集まっているため、街歩きが基本の楽しみ方です。アルマス広場を起点に、コリカンチャ、12角の石、サン・ブラス地区を半日〜1日で巡れます。標高が高いため、到着後は数日かけて高度に順応し、コカ茶などで体調を整えるのがおすすめです。石畳の坂道が多いので歩きやすい靴が役立ちます。市内の各施設は入場時間や料金が異なり、コリカンチャなど一部はクスコ観光チケット(ボレト・トゥリスティコ)の対象外で、現地での別途支払いが必要です。

    まとめ

    クスコ歴史地区は、インカとスペインの二つの文明が積み重なった街並みそのものが世界遺産です。広場・神殿・石壁・職人街を歩けば、標高3,400メートルの古都に刻まれた500年以上の歴史を体感できます。マチュ・ピチュ観光の拠点としてだけでなく、街歩きそのものを目的に訪れる価値のある場所です。

    詳しく見る

  • レインボーマウンテン(ペルー)

    レインボーマウンテン

    トレッキング絶景自然

    レインボーマウンテン(ビニクンカ、Vinicunca)は、ペルー南部クスコ地方、アンデス山脈の標高約5,036mに位置する山で、赤・黄・緑・紫など地層がそのまま虹色の縞模様を描く珍しい景観から「七色の山」として世界的に知られる。クスコ市街から日帰りで訪れることができ、近年最も人気の高いトレッキングスポットのひとつとなっている。

    見どころと特徴

    この山がある地域はアウサンガテ山への道沿い、クイスピカンチ州クシパタ郡とカンチス州ピトゥマルカ郡の境に位置する。虹色の地層は、白亜紀後期からパレオセン初期(約7,500万〜6,300万年前)にかけて堆積した鉱物成分の異なる岩層が、アンデス山脈の隆起によって傾き、その後の風化・浸食によって地表に露出したことで生まれた。

    • ピンク色は赤色の泥・粘土・砂に由来し、白っぽい部分は石灰質を多く含む石英質砂岩や泥灰岩に由来する
    • 赤色は鉄分を含む第三紀後期の粘土・泥岩、緑色は鉄・マグネシウムを豊富に含む千枚岩や粘土に由来する
    • 茶色は第四紀のマグネシウムを含む礫岩、黄色(マスタード色)は硫黄質の鉱物を含む石灰質砂岩に由来する
    • 数十年前まではこの一帯は氷雪に覆われていたが、気候変動による氷河の後退で地層が露出し、2010年代半ば頃から観光地として世界に知られるようになった

    文化的意義

    周辺の谷や高原には、古くからこの土地で牧畜を営むケチュア系の住民が暮らしており、アルパカやリャマの放牧といった伝統的な生活が今も続けられている。山自体は地元の人々にとって長らく身近な景観であったが、観光地化が急速に進んだことで、地域経済にも大きな変化をもたらしている。

    観光と体験

    クスコから日帰りツアーで訪れるのが一般的で、車での移動とトレッキングを合わせて往復5〜7時間程度かかる。標高5,000m前後の高地を歩くため、事前の高所順応と、防寒着・雨具の準備が欠かせない。近年の人気の高まりにより早朝や混雑時のツアーも多いため、静かに景観を楽しみたい場合は出発時間の選び方も重要になる。ゴミの持ち帰りなど、環境保護のためのマナーを守ることも求められている。

    まとめ

    レインボーマウンテンは、数千万年の地層形成と近年の気候変動という自然の作用が重なって生まれた、地球上でも珍しい景観である。標高の高さゆえに訪問には準備が必要だが、頂上から広がるアンデスの絶景と虹色の地層は、それに見合う特別な体験を旅行者に与えてくれる。

    詳しく見る

  • ワスカラン国立公園(ペルー)

    ワスカラン国立公園

    コルディレラ・ブランカ世界遺産山岳

    ワスカラン国立公園は、ペルー中央部アンデス山脈のコルディレラ・ブランカに広がる山岳国立公園です。ペルー最高峰ワスカラン(標高6,768m)をはじめ、6,000m級の氷雪峰が連なり、氷河湖ラグーナ69やラグーナ・パロンなど数多くの氷河湖を抱えています。玄関口は麓の町ワラスで、トレッキングや登山の拠点として世界中から旅行者が訪れる、ペルーを代表する山岳観光地のひとつです。

    歴史的背景

    公園の構想は1960年代、アンデス固有種ビクーニャの乱獲や、世界最大の花序を持つプヤ・ライモンディの保護を目的とした監視区域の設置に始まります。1975年7月1日、政令によりワスカラン国立公園として正式に設立され、面積は約34万ヘクタールに及びます。1977年にはユネスコの生物圏保護区に指定され、公園はその中核地域となりました。そして1985年、氷河が刻む峻険な地形と豊かな生態系が評価され、ユネスコの世界自然遺産に登録されています。この地域は自然の厳しさも記憶されており、1970年のアンカシュ地震ではワスカラン北峰から巨大な氷と岩の崩落が発生し、麓の町ユンガイが土砂流に見舞われるという、氷河災害としては史上最大規模の被害も経験しました。近代登山史においても重要な舞台であり、主峰ワスカランへの初登頂は1932年、ドイツ・オーストリア合同隊によって成し遂げられました。

    見どころと特徴

    • ペルー最高峰ワスカラン(6,768m)を含む、6,000m超の峰が連なる氷雪の山塊
    • 氷河湖ラグーナ69 - 標高約4,600m、ヌバド・チャクララフの氷河を望む鮮やかなターコイズブルーの湖
    • ラグーナ・パロン - 尖峰群に囲まれた大規模な氷河湖
    • ラグーナ・リャンガヌコ - チナンコチャとオルコンコチャという2つの湖からなる、ワスカラン北側の人気観光地
    • アルパマヨ(5,947m) - 1966年に「世界で最も美しい山」と評された、整った三角形の氷雪峰
    • 27座に及ぶ6,000m超の峰と663の氷河からなる、熱帯地域では世界最大規模の氷河景観
    • アンデスコンドルやビクーニャ、タルーカ(アンデスシカ)、メガネグマなど固有性の高い動植物相

    一方で、コルディレラ・ブランカの氷河はここ30年ほどで面積の約3割を失ったとされ、かつて観光名所であったパストルリ氷河のように消滅した氷河も報告されています。氷河の後退は氷河湖の数や分布にも影響を及ぼしており、公園は氷河景観の保全と観察の両面で重要な調査地となっています。

    文化的意義

    この山域はインカ以前からアンデスの人々にとって特別な存在でした。ワスカランをはじめとする高峰は「アプ(山の神)」として信仰の対象とされ、麓の集落では山への畏敬が今も生活文化に根づいています。氷河が涵養する水資源は、公園を囲むカレホン・デ・ワイラス谷の農業や生活を支える基盤であり、自然と人の営みが密接に結びついています。谷沿いの集落には今もケチュア語を話す人々が暮らし、トレッキングガイドやポーターとして山の知識を旅行者に伝える役割も担っています。1970年の災害を経て、氷河と共にある暮らしの厳しさと向き合う姿勢を語り継ぐことも、この地域の文化の一部となりました。1977年の生物圏保護区指定は、こうした自然と文化を一体として守る考え方を反映したものであり、1985年の世界遺産登録も、地形の壮大さと人と自然の関わりが合わせて評価された結果といえます。

    観光と体験

    拠点となるワラスからは、日帰りハイキングから数日間のトレッキング、本格的な登山まで幅広い楽しみ方が可能です。人気の高いラグーナ69へのハイキングは日帰りで往復できますが、標高4,600m付近まで登るため事前の高度順応が欠かせません。氷河湖やお花畑を巡る4日間ほどのサンタクルス・トレッキングも定番のコースとして知られています。バケリアからカシャパンパへと抜けるルートの途上には標高4,750mのプンタ・ウニオン峠があり、そこからアルパマヨやアルテソンラフュといった名峰の姿を望むことができます。より本格的な登山を望む旅行者は、経験と装備を要するアルパマヨやワスカランへの登頂に挑むこともあります。乾季にあたる5月から9月頃は視界と路面の状態が良く、訪問に適した時期とされています。入園にはSERNANP(国立自然保護区管理局)発行の入園券が必要です。

    まとめ

    ワスカラン国立公園は、ペルー最高峰と幾多の氷河湖、そして「世界で最も美しい山」と称されるアルパマヨが織りなす壮大な氷雪景観を、1985年の世界遺産登録という形で世界に示す山岳エリアです。歴史・文化・自然が重なり合うこの地は、ワラスを拠点に訪れることでその奥深さを存分に体感できます。個人での手配が難しい高所トレッキングや登山も、現地旅行会社と組めば安全かつ充実した旅程に仕上げられます。

    詳しく見る

  • オリャンタイタンボ(ペルー)

    オリャンタイタンボ

    インカ遺跡町聖なる谷

    オリャンタイタンボは、ペルー・クスコ近郊の聖なる谷(バジェ・サグラード)の入口に位置する町です。丘の斜面を段々畑と石積みの階段が覆う要塞跡と、その麓に広がるインカ時代の街区がそのまま残り、住民が現在も暮らし続けている点が大きな特徴です。マチュピチュへ向かう列車の発着地としても知られ、聖なる谷を巡る旅の拠点になっています。

    歴史的背景

    オリャンタイタンボの起源は15世紀、インカ皇帝パチャクテクの時代にさかのぼるとされます。皇帝はこの地を征服したのち、王族の邸宅や宗教施設を含む拠点として整備したと伝えられています。丘の上に築かれた太陽の神殿は、スペイン侵攻により工事が中断されたまま未完成の状態で残されたと考えられており、加工途中の巨石や運搬経路に置かれたままの石材からも、当時の作業が急に止められた様子がうかがえます。1537年にはスペインとの戦いの舞台となり、インカ側の指導者マンコ・インカ・ユパンキがこの要塞で一時的にスペイン軍を退けたことでも知られています。その後インカ帝国は崩壊しましたが、要塞の下に広がる集落は放棄されることなく、住民の生活が今日まで続いてきました。こうした継続性から、南米で最も古くから人が住み続けている町の一つとされています。

    建築と特徴

    • 太陽の神殿:山腹の最上部に築かれた石積みで、重量数十トンに及ぶとされる巨石を隙間なく組み合わせた壁が残ります。モルタルを使わずに石同士を精密に加工して積み上げる、インカの石工技術を象徴する構造です。
    • 段々畑(アンデネス):斜面全体を覆う石積みの段々畑で、農地としての利用と要塞の防御機能を兼ねていたと考えられています。
    • 碁盤目状の町並み:丘の麓に広がる集落は、水路と細い石畳の路地が直角に交わる街区構成をインカ時代からほぼそのまま保っており、現在も住宅として使われています。
    • 石造りの水路:町を流れる石組みの水路は、インカ時代に築かれた灌漑・給水システムの一部が今も機能しています。
    • ピンクイルナの穀物倉(コルカ):要塞跡の対岸の山肌には、風通しのよい高所を利用して農作物を保存したとされる石造りの倉庫群が並び、町を見下ろす位置にあります。
    • 十の壁龕の壁(ワル・オルナシナス):太陽の神殿の背後にある壁面には、台形の壁龕(ニッチ)が10個並んでおり、儀礼用の品やミイラなどを納めていたと考えられています。
    • ニュスタの水浴び場(バーニョ・デ・ラ・ニュスタ):3つの水口を持つ石造りの水浴び場で、王女の浴場と伝えられ、インカの水利技術の高さを示す遺構です。

    文化的意義

    オリャンタイタンボが評価されるのは、遺跡としての価値だけでなく、インカ時代の都市計画がそのまま生活空間として機能し続けている点にあります。石組みの水路や街区は今も住民の暮らしの一部であり、遺跡と町が地続きになっている稀有な例とされています。また、要塞での抵抗戦は、インカ帝国がスペインの侵攻に対して組織的に戦った出来事として位置づけられており、この地の歴史的な重みを物語っています。未完成のまま残された太陽の神殿と、川を挟んで約5キロ離れたカチッカタの採石場から巨石を運ぶ途中で放置されたとされる「疲れた石(ピエドラス・カンサダス)」は、インカ帝国の建設事業が外的な力によって突如中断されたことを伝える手がかりとしても注目されています。さらに、太陽の神殿を含む主要な建造物群は6月と12月の至点(冬至・夏至)の日の出の方向を意識して配置されているとされ、農事暦などに関わる天文観測の役割も担っていたと考えられています。町の名前についても、身分違いの将軍オリャンタイと皇女クシ・コリュルの恋を描いた口承劇「オリャンタイ」に由来するという説と、ケチュア語やアイマラ語の地名に由来するという説があり、由来には複数の解釈が伝えられています。

    観光と体験

    見学の中心は、町から続く石段を登る要塞跡と太陽の神殿です。段々畑を見上げながら石段を登り、頂部からは聖なる谷とウルバンバ川を望むことができます。入場にはクスコ周辺の遺跡を対象とした観光共通券(ボレート・トゥリスティコ)が必要です。町なかには碁盤目状の路地や石造りの水路が残るほか、対岸のピンクイルナの丘への散策路からは要塞全体を見渡す眺めも楽しめます。クスコから乗合バスやタクシーで1時間半から2時間ほどの距離にあり、マチュピチュ行きの鉄道の発着駅があることから、聖なる谷観光とマチュピチュ訪問を組み合わせる旅程の中継地としても利用されています。

    まとめ

    オリャンタイタンボは、要塞と神殿の遺構だけでなく、インカ時代の都市計画がそのまま息づく町として、聖なる谷を訪れる際に外せない場所です。石組みの技術が残る町並みを歩きながら、マチュピチュへの旅の入口としても訪れる価値があります。

    詳しく見る

  • 聖なる谷

    絶景自然遺跡

    ペルーのアンデス山脈に抱かれた「聖なる谷(Valle Sagrado)」は、ウルバンバ川(インカ時代の呼称ではウィルカマヨ、「聖なる川」の意)に沿って広がる谷で、インカ帝国の中枢クスコの北に位置する。ピサックからオヤンタイタンボまで約100kmにわたって続き、標高はマチュ・ピチュ付近の2,050mから、谷内最高地の集落では3,700mに達する。インカの天文学者たちは、この川の流れが天の川の動きと山々の配置と密接に結びついていると信じ、ウィルカマヨを天空を渡る天の川の地上の鏡と見なしていた。豊かな自然と古代文明の遺跡が共存する神秘的な場所として、多くの旅行者を魅了している。

    歴史的背景

    聖なる谷が本格的にインカ帝国に組み込まれたのは、1000年から1400年ごろにかけてのこととされる。谷の中心地ピサックには、インカ皇帝パチャクテク(在位1438〜1471年)の私領があったと伝えられ、ウルバンバの町に残るキスピグアンカの遺跡は、皇帝ワイナ・カパック(在位1493〜1527年)の私領跡とされている。谷はクスコより低地にあるため、クスコの高地では栽培できないトウモロコシなどの農産物を供給する、帝国の食糧基地としての役割も担っていた。1537年には、オヤンタイタンボにおいて、インカ皇帝マンコ・インカ・ユパンキがエルナンド・ピサロ率いるスペイン軍を退けた「オヤンタイタンボの戦い」が起きており、インカが最後まで抵抗を続けた地としても知られる。

    見どころと特徴

    • ピサック:4つの区域からなる遺跡群が約9平方キロメートルに広がり、階段状の農業用テラスがインカの高度な農業技術を物語る。毎週日曜には市場が開かれ、カラフルな織物や工芸品で賑わう
    • オヤンタイタンボ:インカ帝国の要塞都市であり、今なおケチュア族の人々がインカ時代の建物の基礎の上で生活を続ける、南米で珍しく今も住まわれているインカの町
    • チンチェロ:インカ時代から続く伝統的な織物技術が受け継がれる村
    • 多様な民族(ケチュア族など)が暮らし、伝統的な織物や工芸品づくりの様子を見学できる
    • 新鮮な食材を使った地元料理(モルモット料理など)も味わえる

    観光と体験

    聖なる谷は、クスコからマチュ・ピチュへ向かう途中に位置し、ピサック、オヤンタイタンボ、チンチェロなどを周遊する日帰りツアーが数多く催行されている。谷全体が高地にあるため高山病に注意が必要で、事前の対策とゆっくりとした行動が推奨される。年間を通じて気温が低いため暖かい服装が必要で、12月から3月頃の雨季には視界が悪くなることもある。

    まとめ

    聖なる谷は、インカ帝国の食糧基地であり最後の抵抗の舞台でもあった、歴史と自然が共存する地域である。ピサックやオヤンタイタンボなどの遺跡群と、今も続く伝統文化を体感できる、ペルー観光における必見のエリアといえる。

    詳しく見る

  • ナスカの地上絵

    ナスカ絶景遺跡

    ナスカの地上絵:空から見る古代の謎

    南米ペルーの乾燥したナスカ平原に広がるナスカの地上絵は、その巨大なスケールと精巧なデザイン、そして謎に包まれた存在意義から、世界中の考古学者や旅行者を魅了し続けています。

    ナスカの地上絵の魅力

    • 巨大なスケールと精巧なデザイン: 数百メートルから数キロメートルに及ぶ巨大な図形や動物のモチーフは、地上からはその全貌を捉えることができません。飛行機から見下ろすことで初めてその壮大さを実感することができます。
    • 謎に包まれた存在意義: いつ、誰が、何のために作ったのか、その目的は未だに解明されていません。天文観測、宗教儀礼、水に関する儀礼など、様々な説が唱えられていますが、確固たる証拠は見つかっていません。
    • 神秘的な雰囲気: 乾燥した大地に描かれた無数の線や図形は、まるで宇宙からのメッセージか古代の宇宙飛行場を思わせるような神秘的な雰囲気を醸し出しています。

    ナスカの地上絵の見どころ

    • セスナ機からの遊覧飛行: ナスカの地上絵を鑑賞する最も一般的な方法は、セスナ機での遊覧飛行です。上空から地上絵を直接見下ろすことができるため、その大きさと複雑さを実感できます。
    • ナスカ考古学博物館: 地上絵に関する展示や、ナスカ文明の生活様式などを学ぶことができます。
    • パルパの地上絵: ナスカの地上絵の北側には、パルパの地上絵と呼ばれる別の地上絵群があります。ナスカの地上絵よりも古いとされており、こちらも合わせて見学することができます。

    ナスカの地上絵の謎

    • 制作方法: 巨大な図形をどのようにして正確に描いたのか、その技術は未だに謎です。
    • 目的: 天文観測、宗教儀礼、水に関する儀礼など、様々な説が唱えられていますが、いずれも決定的な証拠はありません。
    • 保存状態: 乾燥した気候のおかげで、数千年もの間、地上絵は風雨に侵食されることなく残ってきました。しかし、近年では観光客の増加や気候変動の影響で、少しずつ損傷が進んでいるという懸念もあります。

    ナスカの地上絵を訪れる際の注意点

    • ベストシーズン: 5月から10月までの乾季が観光のベストシーズンです。雨季は視界が悪く、飛行が中止になることもあります。
    • 高山病: ナスカは標高が高いため、高山病に注意が必要です。
    • 日焼け: 乾燥した気候のため、日焼け止めを忘れずに塗ってください。
    • 環境保護: 地上絵の保護のため、指定された場所以外には立ち入らないようにしましょう。

    まとめ

    ナスカの地上絵は、人類の知的好奇心を刺激する、まさに地球の神秘と言えるでしょう。その謎を解き明かすことは、人類の歴史を紐解く鍵となるかもしれません。ペルーを訪れる際は、ぜひナスカの地上絵を見に行き、古代の人々の知恵と創造性に触れてみてください。

    詳しく見る

  • モライ(ペルー)

    モライ

    インカ遺跡段々畑聖なる谷

    モライ(Moray)は、ペルー・クスコ近郊の聖なる谷に残るインカ時代の遺跡で、すり鉢状の地形に築かれた同心円状の段々畑(円形テラス)で知られています。標高約3,500mの高地に位置し、最も深いくぼ地は約30mに達します。段ごとに気温や日照が異なることから、インカ帝国の農業試験場だったとする説が有力で、聖なる谷を訪れる際の定番スポットのひとつになっています。

    歴史的背景

    モライが築かれた正確な年代は明らかになっていませんが、インカ帝国期(15世紀前後)に整備されたと考えられています。ケチュア語で「モライ」は円形にくぼんだ場所を意味し、遺跡内には大小合わせて4つのすり鉢状のくぼ地(現地では「ムユ」と呼ばれます)があり、代表的な1つは「ケチュユック・ムユ」と呼ばれています。周辺のマラスやチンチェロと同様、聖なる谷の農業・交易ネットワークの一部を成していたとみられ、クスコとウルバンバ川流域を結ぶ道の途中に位置することから、行政・物流の拠点としての役割も兼ねていたと考える研究者もいます。当時の記録(年代記)にモライについての直接的な記述は見つかっておらず、用途は考古学的な調査から推測されたものにすぎません。スペイン人による征服後、遺跡は長らく忘れられた状態にありましたが、20世紀に入り考古学的な調査が進み、現在の姿が明らかになりました。用途については農業試験場説が広く知られていますが、灌漑や排水の技術実験、あるいは儀礼的な意味合いを持っていた可能性も指摘されており、正確な機能はいまも研究が続いています。

    建築と特徴

    モライの最大の特徴は、自然のくぼ地を利用して築かれた同心円状の段々畑です。以下のような点に、インカの高度な土木・水利技術が表れています。

    • 最大のくぼ地は直径約220m、深さ約30mに及び、内部に大小4つの円形テラス群が広がる。
    • 段を支える石積みの内部には水はけの良い層が重ねられ、大雨でも水が溜まりにくい構造になっている。
    • 石を彫って作られた「パッチャ」と呼ばれる水路や小さな貯水槽により、湧き水が各段へ配分されていた。
    • くぼ地の底から上部に向かうにつれて日照や風の当たり方が変化し、段ごとに微気候が生まれる。
    • 遠方から運ばれたとみられる肥沃な土壌が使われている段もあり、栽培実験の跡とも解釈されている。

    各段の縁には石を積んだ小さな階段が組み込まれており、上下の段を直接行き来できるようになっています。段の縁の石組みは、ほぼ手を加えずに近づけるほど保存状態が良く、インカの石工技術の精緻さを間近で確認できる点も見どころのひとつです。

    文化的意義

    モライは、インカが自然環境を観察し尽くしたうえで農業技術を体系化していたことを示す遺跡として位置づけられています。段ごとの微気候を利用し、異なる高度の気候を模した環境でジャガイモやキヌア、トウモロコシなどを育てることで、寒さに強い品種や帝国各地の土地に適した品種を選び出していたと推測されており、当時の農業科学の水準の高さがうかがえます。数百種類にのぼる植物が栽培されていたとする説もあり、モライで得られた知見が周辺の畑にも活かされていた可能性が指摘されています。近年では、寒冷地や乾燥地でも育つ作物品種の研究という観点から、モライの発想を現代の高地農業や品種改良の議論に引き合わせる声もあります。周辺のマラスの塩田やチンチェロの織物文化とあわせて、聖なる谷全体がインカの生活・生産システムを体感できる地域として今日まで注目されています。モライは世界遺産には登録されていませんが、ペルー国内の考古学保護区として管理・保全が続けられています。

    観光と体験

    モライはクスコ市街から北西へ約38km、車で1時間15分ほどの距離にあります。マラスの塩田からは未舗装路で約7km、45分ほどの距離で、両者をセットで訪れるツアーが一般的です。見学は単体の入場券では利用できず、クスコ観光共通券(ボレト・トゥリスティコ)が必要になります。段々畑の縁を歩きながら全体を見渡せる展望ポイントがあり、くぼ地の底まで降りて段差の大きさを間近に感じることもできます。標高3,500mの高地にあるため、事前の高度順応と防寒・日焼け対策が欠かせません。日中は日差しが強く、朝晩は冷え込むため、重ね着できる服装が向いています。クスコからの日帰りツアーでは、チンチェロの織物工房やマラスの塩田とあわせて巡るプランが多く、オリャンタイタンボなど聖なる谷の他の遺跡と組み合わせて周遊するコースも組まれています。午前の早い時間帯は観光客が少なく、テラス全体を静かに見渡しやすい時間帯といわれています。

    まとめ

    モライは、円形の段々畑という視覚的なインパクトだけでなく、インカの農業技術や自然観察力を伝える貴重な遺跡です。マラスの塩田や近隣の村とあわせて訪れることで、聖なる谷ならではの多様な魅力を一日で体感できます。

    詳しく見る

旅行先を探す

行きたい国を選択
  • CANADA
  • ROMANIA
  • PUERTO RICO
  • BAHAMAS
  • JAMAICA
  • The Caribbean
  • SRI LANKA
  • MAURITIUS
  • HONDURAS
  • KUWAIT
  • IRELAND
  • UNITED KINGDOM
  • FAROE ISLANDS
  • GREENLAND
  • LUXEMBOURG
  • NETHERLANDS
  • ARMENIA
  • BELGIUM
  • AUSTRIA
  • ICELAND
  • BHUTAN
  • OCEANIA
  • MIDDLE EAST
  • SOUTH AMERICA
  • EUROPE
  • CENTRAL ASIA
  • ASIA
  • NORTH CENTRAL AMERICA
  • MALTA
  • LATVIA
  • ESTONIA
  • LITHUANIA
  • GEORGIA
  • AZERBAIJAN
  • SLOVAKIA
  • HUNGARY
  • NICARAGUA
  • EL SALVADOR
  • ALBANIA
  • MONTENEGRO
  • SERBIA
  • BOSNIA AND HERZEGOVINA
  • ESWATINI
  • ZAMBIA
  • CYPRUS
  • OMAN
  • QATAR
  • BAHRAIN
  • VANUATU
  • AFRICA
  • GERMANY
  • SLOVENIA
  • JAPAN
  • CROATIA
  • CZECH REPUBLIC
  • PORTUGAL
  • SPAIN
  • MONGOLIA
  • SWEDEN
  • FINLAND
  • DENMARK
  • NORWAY
  • JORDAN
  • AUSTRALIA
  • SAUDI ARABIA
  • UAE
  • TURKEY
  • POLAND
  • GREECE
  • SWITZERLAND
  • EGYPT
  • COOK ISLANDS
  • FRANCE
  • ITALY
  • NEPAL
  • ZIMBABWE
  • UGANDA
  • TUNISIA
  • TANZANIA
  • SOUTH AFRICA
  • SEYCHELLES
  • RWANDA
  • NAMIBIA
  • MOZAMBIQUE
  • MOROCCO
  • MADAGASCAR
  • KENYA
  • ETHIOPIA
  • BOTSWANA
  • MEXICO
  • CURACAO
  • ARUBA
  • GUATEMALA
  • COSTARICA
  • BELIZE
  • DOMINICAN
  • CUBA
  • UNITED STATES
  • VENEZUELA
  • URUGUAY
  • PERU
  • PARAGUAY
  • PANAMA
  • ECUADOR
  • COLOMBIA
  • CHILE
  • BRAZIL
  • BOLIVIA
  • ARGENTINA
  • UZBEKISTAN
  • TURKMENISTAN
  • TAJIKISTAN
  • KYRGYZSTAN
  • KAZAKHSTAN
  • NEW ZEALAND
  • HONGKONG
  • VIETNAM
  • TAIWAN
  • SINGAPORE
  • THAILAND
  • PHILIPPINES
  • CAMBODIA
  • MALDIVES
  • INDONESIA
  • INDIA

日本語で
OK!

チャットで要望を伝えるだけ!
オリジナルの旅行プランが作れる!

チャットで相談する