エメラルドグリーンの海に浮かぶ小さな島、その名は「プリズンアイランド」。ザンジバルのストーンタウンから約30分のボートライドで訪れることができるこの島は、その物々しい名前とは裏腹に、白い砂浜、透明な海、そして独特の歴史と驚くべき住人たちが迎えてくれる隠れた楽園です。
名前の裏に隠された歴史のアイロニー
「刑務所島」という物騒な名前からは想像もつかない美しさを持つこの島。実はその名前には皮肉な歴史が隠されています。19世紀末、アラブの奴隷商人に対抗するため、イギリス人がこの島に刑務所を建設する計画を立てました。しかし、実際に刑務所として使用されることは一度もなく、後に検疫所として使われたのです。
現在は「チャングー島(Changuu Island)」という本来の名前で呼ばれることも多いものの、旅行者の間では依然として「プリズンアイランド」の名前で親しまれています。島中央に立つ黄色い石造りの建物は、その歴史的背景を物語る遺構として今も残されており、ガイドツアーで内部を見学することができます。
巨大ガラパゴスゾウガメとの思い出づくり
この島の最大の魅力は、間違いなく樹齢100年を超える巨大ガラパゴスゾウガメたち。1919年、セーシェルからギフトとして贈られた4頭のゾウガメが、現在では100頭以上に増えました。体重200kg以上にもなるこれらの穏やかな巨人たちとの触れ合いは、島を訪れる人々にとって忘れられない体験となるでしょう。
専用のエリアでは、ゾウガメに直接触れたり、餌をあげたりすることができます。特に子どものゾウガメは愛らしく、旅行者の人気を集めています。最高齢のゾウガメは推定150歳以上と言われ、ゆっくりと歩む姿からは悠久の時の流れを感じることができます。
写真撮影はもちろん自由ですが、彼らの甲羅に乗ることは厳しく禁じられています。彼らの長い歴史と尊厳を尊重する姿勢が、この島の魅力をさらに高めています。
クリスタルブルーの海と珊瑚礁の楽園
プリズンアイランドは、シュノーケリングやスイミングのための理想的なスポットでもあります。島を囲むターコイズブルーの海は驚くほど透明で、バオバブの木が影を落とす白い砂浜からそのまま海に入ることができます。
島の周囲に広がる珊瑚礁は、色とりどりの熱帯魚の楽園。初心者でも安心して楽しめる浅瀬から、少し泳げば様々な珊瑚や魚たちの世界が広がります。特に島の東側は珊瑚の保存状態が良く、運が良ければウミガメに遭遇することも。
マスク、シュノーケル、フィンはボートツアーに含まれていることが多いですが、自前の装備を持参するとより快適に楽しめるでしょう。
美しい公共ビーチと静寂のひととき
島の南側には、美しい公共ビーチが広がっています。ヤシの木が優雅に風に揺れる中、ハンモックでくつろいだり、砂浜でのんびりと日光浴を楽しんだりできます。
平日は特に人が少なく、まるで「プライベートアイランド」のような贅沢な時間を過ごせることも。島内には小さなレストランがあり、新鮮なシーフードやココナッツドリンクを楽しみながら、インド洋のパノラマビューを堪能できます。
ストーンタウンの喧騒から離れ、静かな時間が流れるこの島は、忙しい旅の合間の「リフレッシュデー」にぴったりの場所です。
実用情報:訪れ方とベストシーズン
プリズンアイランドへは、ザンジバルのストーンタウンにあるフォロダニ・ガーデンズの桟橋から出発するボートツアーで訪れるのが一般的。所要時間は片道約20〜30分で、往復とガイド、入島料を含めて25〜35米ドル程度が相場です。
島への訪問は午前中がおすすめ。午後になると風が強くなり、波が高くなることがあります。また、満潮時は海水浴に最適な時間帯です。
訪問のベストシーズンは6月から10月の乾季。この時期は雨が少なく、海の透明度も高くなります。ただし、年間を通じて訪問可能で、特に1月から2月も比較的好天に恵まれることが多いです。
さいごに:意外性に満ちた小さな宝石
その名前からは想像もつかない美しさと魅力に満ちたプリズンアイランド。歴史的建造物、世界最大級の陸ガメとの触れ合い、透明な海でのシュノーケリング、そして静かな白浜でのリラックスタイム—この小さな島には、ザンジバル旅行の色彩豊かな一ページを飾るに十分な魅力が詰まっています。
ストーンタウン観光の合間に、ぜひ半日から1日を割いて訪れてみてください。「刑務所」という名前を持つこの島が、実は自由と解放感に満ちた楽園であるという意外性は、あなたの旅の素敵な思い出となることでしょう。





