こんにちは、Oooh事務局です。
今回は古代ロマンに溢れる国「エジプト」に行ってきました!
ルクソールからナイル川のクルーズに参加し、カイロに至るまで、メジャーなスポットだけでなくあまり馴染みのないニッチなスポットにも足を運んだので、直近の現地情報を皆様にお伝えさせていただきます!
旅行記第1弾は、ルクソール東岸に位置する“世界最大の神殿”と称されるカルナック神殿についてのレポート。
なんと2000年もの歳月をかけて造られたといわれるカルナック神殿には、今もなお巨大な列柱が林立し、光と影が織りなす空間は圧倒的な神秘に包まれています。
壁面には王たちの戦勝や儀式が刻まれ、古代の信仰と権力の物語が静かに語られる圧巻のスポットです。
(写真:列柱室)
チケット売り場を経て入場!とにかく広い、そして暑い・・・
チケット売り場を抜けると、まず現れるのは古代エジプトで使われていた金のお神輿やカルナック神殿全体の再現模型が展示されているスペース。
模型を見るだけでも、その圧倒的な規模を窺い知ることができ、期待が高まります。
スペースを出ると、神殿の入口まで数分、さらにスフィンクス参道・第1塔門まで数分歩き、早くもスケールの大きさを実感。
訪れたのは10月でしたが、日差しが非常に強く、気温も日本の真夏並み…。集中して観光を楽しむには、帽子・サングラスなどの日差し対策と、ミネラルウォーターは必須です!
(写真:神殿の再現模型)
(写真:神殿入口)
いよいよ神殿の中へ。珍しいスフィンクスがお出迎え!
最初に目につくのは、第1塔門前の道の両側に並んだスフィンクスたち。
道は「スフィンクス参道」と呼ばれ、アメン・ラー神を祀るカルナック神殿と、アメン・ラー神の妻を祀るルクソール神殿を結ぶ道として知られます。
並んだスフィンクスたち、注目すべきはその頭!
通常イメージされるスフィンクスは、頭が王様、身体がライオンの姿をしていますが、ここで見られるのは頭が牡羊になっています。これは、神殿の主神であるアメン・ラー神の聖獣が牡羊であることに由来します。
(写真:スフィンクス参道のスフィンクス)
謎の解明に寄与した未完成の塔門
カルナック神殿にはたくさんの見どころがありますが、ここからは私が特に興味深く感じたいくつかのスポットについてご紹介します。
まずは、スフィンクス参道を抜けると目の前に現れる第1塔門。
高さおよそ40メートルを誇る巨大な門ですが、装飾は施されておらず、未完成だといわれています。カルナック神殿には第1塔門を含む巨大な塔門がいくつも残されており、ここまで大きな建築物をどのように造ったのか、不思議に思う声が上がっていました。
その謎を解く鍵となったのが、まさにここ第1塔門。
未完成の塔門の裏手には石が高く積み重ねられており、これらを階段のごとく利用することで、巨大な建築物を造り上げていたことが判明したのです。今でもその「階段」は残されており、古代の人々の知恵をありありと感じることができます。
(写真:第1塔門)
(写真:第1塔門裏に残された「階段」)
圧倒的なオーラを放つ列柱室
カルナック神殿のハイライトともいえるのが、100本以上もの巨大な柱が林立する大列柱室。
緻密なレリーフがみっちり刻まれた柱が整然と並ぶ様子は圧巻で、当時の建築技術の高さを深く実感する場所です。
当時は屋根もあったといわれていますが、今は残念ながら残されていません。
(写真:大列柱室)
恨みによって守られたオベリスク
太陽神ラーを崇拝する宗教的シンボルであり、権力の象徴としての意味合いも持つ、細長い石造りのモニュメント、オベリスク。
世界に現存するオベリスクは32本といわれていますが、エジプトに残されているのはわずか6本のみ。そしてその内の2本がカルナック神殿に残されています。
カルナック神殿のオベリスクは、トトメス1世とハトシェプスト女王のもの。
特にハトシェプスト女王のオベリスクは現在エジプトに残るものの中で最大といわれ、保存状態も非常に良いことで有名です。
しかし実は、このオベリスクについてはトトメス3世の深い恨みの歴史と少し皮肉ともいえる結末が伝えられています。
トトメス1世の子である、ハトシェプスト女王とトトメス2世は兄弟で結ばれるも、男の子に恵まれませんでした。
そこでハトシェプスト女王は、トトメス2世に別の女性との間に男の子をもうけるよう伝え、のちのトトメス3世が生まれます。
その後トトメス2世は若くして逝去したため、トトメス3世はわずか8歳で王座に。しかしトトメス3世が幼かったことを理由に、数十年の間にもわたって実権を握ったのは、他でもないハトシェプスト女王でした。ハトシェプスト女王の死後、トトメス3世は権力を取り戻りますが、長く支配され続けたことによる彼女への深い憎しみと恨みから、彼女のオベリスクを壁で覆って隠してしまいます。しかしこのことがかえって、オベリスクの保護に繋がり、現在でも良好な状態を維持しているという皮肉な結末を迎えるのです。
写真ではわかりにくいですが、壁で覆われていた部分は今でも少し色が違っていることが見てとれます。
(写真:ハトシェプスト女王のオベリスク)
またオベリスクの他にも、トトメス3世のハトシェプスト女王に対する恨みの深さを今に伝えるものとして、神殿の壁面に描かれたレリーフがあります。
彼はハトシェプスト女王の功績をなかったことにするかのように、彼女の姿を削り取ったとされ、無惨に傷つけられたレリーフが至る所に残されています。
(写真:削り取られたハトシェプスト女王のレリーフ)
願いが叶う幸運の象徴
糞転がし(スカラベ)は、古代エジプトにおいて“太陽神の化身”とされ、幸運の象徴とされていました。
カルナック神殿にも、大スカラベの像があり、この周囲を3回転すると願いが叶うといわれています。
私も多くの観光客とともに、ぐるぐるとまわってきました笑
(写真:大スカラベ像)
旅行記第1弾、カルナック神殿編はここまでです!
最後までご覧いただきありがとうございました。
スケールも面白さも桁違いの神殿、皆様もぜひ行ってみてくださいね!