ライオン・チーター公園(Lion and Cheetah Park)は、ジンバブエの首都ハラレ近郊、ブラワヨ・ロード沿いのソマービー(Somerby)地区に位置する野生動物保護区兼観光施設である。ハラレ中心部から西へ約23km、車で30〜45分ほどの距離にあり、ライオンをはじめとする野生動物を自然に近い環境で観察できる場所として、ジンバブエを訪れる観光客に親しまれている。近くにはジンバブエ最大の人工湖の一つチヴェロ湖があり、日帰りドライブの目的地としても人気がある。
歴史的背景
公園は1970年代にブリストウ(Bristow)家によって設立され、現在も同家が運営を続けている。広さ約500エーカーのブッシュヴェルド(低木林の草原)が広がり、園内には特徴的な岩山の地形も見られる。かつては名前の通りチーターも飼育されていたが、炭疽菌(アンスラックス)の流行により失われたとされ、現在はチーターは飼育されていない。それでも創設当初からの名称「ライオン・チーター公園」がそのまま使われ続けている。
見どころと特徴
- 白いライオン(ホワイトライオン)という珍しい色素変異を持つ個体を含め、褐色のライオンとともに間近で観察できる大型ネコ科動物
- 密猟用のワイヤートラップや違法なペット取引から救出されたオオカミ、ジャッカル、サル、イボイノシシ、ブッシュピッグなどの保護動物たち
- 推定250歳を超えるとされる長寿のリクガメ「トミー(Tommy)」
- キリンやゼブラ、各種アンテロープなどアフリカの草原に生息する動物たち
- 特徴的な岩山(コッピー)が点在する約500エーカーのブッシュヴェルド地形そのものの景観
園内で暮らす動物の多くは、野生で密猟や違法飼育の被害を受け、そのままでは生きられなかった個体であり、単なる観賞用の動物園ではなく保護施設としての側面を強く持っている点が、他の一般的なサファリパークとは異なる特色となっている。
観光と体験
公園は毎日午前9時から午後5時まで営業しており、来園者は自分の車で園内を回る「セルフドライブ」形式のゲームビューイングに加え、動物の飼育エリアを巡るガイド付きウォーキングツアーにも参加できる。入園料は大人1人15米ドル、子供(2〜12歳)10米ドルで、事前予約なしでも日帰り訪問が可能である。園内には軽食店「シュンバ・カフェ(Shumba Café)」やギフトショップ、子供向けの遊び場も整備されている。運営元のブリストウ家は、放置すれば駆除・殺処分の対象となりかねない「問題動物」を保護する活動にも力を入れており、動物福祉に関心のある旅行者にとっても意義のある訪問先となっている。近隣にはクインバ・シリ野鳥保護区(Kuimba Shiri Bird Sanctuary)もあり、あわせて訪れる観光客も多い。ハラレ市内から日帰りで気軽にアクセスできることから、ジンバブエ滞在中の半日〜1日プランとして組み込みやすいのも魅力である。
まとめ
ライオン・チーター公園は、名称に「チーター」を残しつつも、現在は主にライオンと保護動物たちとの出会いを楽しめる、ハラレ近郊で手軽にアフリカの野生動物に触れられる貴重なスポットである。半世紀近い歴史を持つ家族経営の施設ならではのアットホームな雰囲気の中で、ドライブやガイドツアーを通じて野生動物保護の重要性を学ぶこともできる。
